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がんの治療の知識②

最終更新日:
2025/07/23
情報提供者:Hatch Healthcare

がんの治療がはじまると、体・精神面の両方においてさまざまな変化が起こりやすくなります。病気や治療そのものによる影響だけでなく、仕事や将来への不安などさまざまなストレスに悩まされることもあるでしょう。

こうした、がんと診断されて治療が始まった後の肉体的・精神的変化を理解し、適切に対処していくことが闘病生活においてとても大切です。

ここでは、がんの手術後によくある困りごとや、その悩みごとに対処する際のヒントについて、わかりやすくご紹介します。 

勝俣 範之 先生【監修】

日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授

目次

がんの手術後に困ることについて

がんの手術後には、術後早期に生じる周術期合併症や、時間が経っても症状がなくならない後遺症が発生することがあります。

ここでは、特に手術によって起こる代表的な合併症として、縫合不全と浮腫について説明します。

術後合併症は、手術に伴って起こる、好ましくない症状や状態のことです。

手術部位によって起こり得る合併症は大きく異なりますが、手術全般に共通する主な術後合併症には、創部感染や縫合不全があります。

縫合不全

手術で腸管などをつないだ吻合部(ふんごうぶ)がうまくくっつかずに開いてしまう合併症です。

腸管に縫合不全が起こると、腸液が漏れて腹膜に炎症を起こし、発熱や腹痛などの症状が生じます。

浮腫

手術後にむくみが出ることがあります。中でもリンパ浮腫は、がん治療でリンパ節を切除した部位の近くの腕や足にリンパ液がたまって生じるむくみです。

リンパ浮腫は一度起こると治りにくいため、予防と早期治療が重要です。

手術後の後遺症について

手術の後遺症とは、手術による一時的なダメージから回復した後でも残ってしまった症状や状態のことです。

傷跡のひきつれや慢性的な痛み、組織の癒着(ゆちゃく)、リンパ節切除に伴うリンパ浮腫のほか、手術した部位によって消化、排泄、発声、唾液分泌等、特定の機能の低下・喪失などが起こるものです。

こうした合併症や後遺症によって日常生活に支障が出ることはどうしても起こり得るものですが、中には薬物療法やリハビリテーションで改善をはかることが可能なケースもあります。

術後の経過観察時には、気になる症状があれば医師と確認し、適切にケアしていきましょう。

緩和ケアについて

緩和ケアとは、がんに伴う体や精神的な苦痛を和らげ、患者様とご家族の生活の質(Quality of life: QOL)を支えるサポートのことです。

末期がんの人に対して行われるものというイメージをお持ちの方もいますが、実はがんの進行度に関係なく、がんと診断された時から必要に応じていつでも行われるべきものだと位置づけられています。

また、緩和ケアでは、痛みや吐き気、食欲不振、倦怠感といった体のつらさだけでなく、不安や落ち込みといった心のつらさも対象としています。

たとえば、抗がん剤治療中の強い副作用で苦しむ場合に痛み止めや吐き気止めを用いて症状をコントロールしたり、精神的な不安に対してカウンセリングを提供したりします。

緩和ケアは決して何も治療する手立てがなくなってしまった人のための医療ではなく、病気と闘うすべての方が利用できる支援ですので、がん治療中に何らかのつらさを感じたら、遠慮なく緩和ケアチームや主治医に相談しましょう。

リハビリテーションについて

がん治療におけるリハビリテーションは、がんやその治療による体への影響からの回復を促し、残っている体の機能を維持・向上させるために行われます。

これまでリハビリテーションは脳卒中の後遺症で手足が動かなくなってしまった方に対して行われるような印象が強いものでしたが、近年ではがん治療中・治療後の患者様にも積極的に行うべき重要な医療として位置づけられています。

がんのリハビリテーションは、がん治療のどの段階であっても必要があれば受けることができます。

リハビリテーションは、多職種からなるリハビリチームによって提供されます。

主治医やリハビリテーション専門医の指示のもと、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などが協力して患者様をサポートします。

たとえば、手術後の筋力低下や関節のこわばりに対して運動療法を行ったり、嚥下(飲み込み)障害に対して嚥下訓練を行ったりと、患者様の状態に合わせてリハビリテーションを進めます。

がんの治療中に起こる悩みを解消するヒント

がんの治療中には、体のつらさや心の不安、経済的負担、仕事や家庭の問題などさまざまな悩みが生じやすくなります。

ここでは、それぞれの悩みを軽減するためのヒントをいくつか紹介します。

体の悩みへの対処法

抗がん剤や放射線の副作用で「食欲がない」「吐き気がする」「体がだるい」などつらい症状が出たら、我慢せずに相談するようにしましょう。

たとえば、吐き気、食欲不振、下痢などの消化器症状がある場合、食事の内容を工夫したり、吐き気止めや下痢止めを使用したりすることで楽になるケースもあります。まずは主治医に相談してみましょう。

精神面の悩みへの対処法

がんと向き合う過程では、不安や落胆を感じるのは当然のことです。

精神的につらいときには、決して一人で抱え込まず専門家に相談しましょう。

緩和ケア外来などに心のケアの専門スタッフ(精神腫瘍医や臨床心理士)がいる病院も増えてきています。

さらに、同じ立場の患者同士の交流(ピアサポート)も心の支えになります。

病院の患者会やがん相談ホットラインなどを活用し、孤立しないようにしましょう。

経済的な悩みへの対処法

長期にわたる治療では医療費や収入減少など経済面の不安もしばしば生じます。

日本には公的医療保険による高額療養費制度など、治療費の自己負担を軽減できる仕組みがあります。

どの制度を利用できるか分からないときや、治療費の支払いに不安を感じるときは、病院のがん相談支援センターやソーシャルワーカーに相談してみましょう。

利用可能な制度の情報提供や手続きのサポートを受けることで、経済的負担を軽減できる可能性があります。

仕事に関する悩みへの対処法

働きながら治療を受ける場合、職場の理解と協力が欠かせません。

治療スケジュールに合わせた休暇や勤務時間の調整など、職場にお願いできることは早めに相談しましょう。

会社員であれば、休職制度や時短勤務制度の利用について人事担当者や産業医に確認することをおすすめします。

また、病院の相談支援センターには就労相談員が配置されているので、治療と仕事の両立について専門的な助言を受けることもできます。

ご家族や生活上の悩みへの対処法

がんは患者様ご本人だけでなく、ご家族にも大きな影響を与えます。お互いにどう接すればよいか迷うこともあるでしょう。

基本的には患者様の気持ちや希望を尊重しつつ、ご家族も自分自身の心身を大切にすることが重要です。

困ったときは抱え込まず、病院の家族向け相談窓口やがん相談支援センターに相談したり、必要に応じて介護サービスを利用したりすることも検討してください。

日本対がん協会のがん相談ホットラインのように、患者様はもちろんご家族や知人でも利用できる無料電話相談もあります。

周囲のサポートを積極的に活用し、ご家族だけで抱え込まないようにしましょう。

まとめ

がんに対する医療の進歩により、がん患者様の生存率は向上してきています。

一方で、がんと付き合いながら生活を続けている方も増えています。

長い闘病生活の中で感じるつらさを、ただ我慢して耐えるのではなく、積極的に周囲に相談しながら解決していくことで、治療が始まっても普段に近い生活を送れる可能性が高まります。

無理をせず、利用できる支援や手段を上手に活用して、がんに負けない生活を送りましょう。

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サポーターからのひとこと

手術を受けるとなった時、無事にがんを摘出できるかどうかはもちろんのこと、手術後どのような合併症があるのか不安というお声も多く伺います。

また、治療が始まると体や心ともに様々な変化が起こると言われて心配になれる方も多くいらっしゃいます。

治療によってどのような変化が生じる可能性があるのか、変化が生じた際にどのように対処していけばよいのかを知ることで、安心して治療に臨めることに繋がると思います。

私どもの窓口では、ご状況やご不安なことなどをお伺いしながら、少しでも安心して治療に臨めるよう、個別性にあわせて情報提供でお力になりたいと思っております。お気軽にご連絡ください。

がん相談サポートがご紹介するサービス

さまざまなお悩みの解決をサポートする各種サービスを案内します。無料または優待価格でご利用いただけるサービスも多数ありますので、気になるサービスがありましたら、よりそうがん相談サポーターへお問い合わせください。

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がんの治療法に悩んでいる方にがんの専門医からの意見をインターネットでお届けするオンラインセカンドオピニオンサービスです。

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